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アスフェリカルの非球面眼日記
北海道在住のサラリーマンによる日本酒、ワイン、居酒屋紀行、バンド、マラソン、映画など趣味の話題と日々の悲喜こもごも。お前はほんとに仕事しとるのか!
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二代目はバーテンダー「The BAR ディオニソス」 (新潟その3)
ディオニソス

そのバーの名は「ディオニソス」。15年間一度も行けずにいた店だ。
当時いっぱしの酒飲み気取りの学生(小生です)を邪険にすることなく、中老のマスターが、いつも穏やかに、かつ威厳を持って接してくださった思い出の店である。もうやっていないとばかり思っていたその店をマスターの息子さんが引き継がれていると聞き、締めの店に選んだ。
小路からビルに入ると・・ あった。
入り口には「~べし」の酒飲み5ヶ条が昔通り貼り出され、おどろおどろしい「ディオニソス」の文字が電飾看板に照らされている。
扉を開けると昔どおりのカウンター数席のみの店内はほぼ満席。お客の間を空けてもらい、席に着く。なんでもないカウンター、奥3列に上から下までぎっしりと瓶が並んだ酒棚も昔のままだ。昭和30年代風というのだろうか、一見、場末のバー風の狭い店なのだが、華美に飾られていない分、一度腰掛けるとなんともいえない安らぎを感じさせる。
カウンター内には髪をオールバックで固めた、まだ若干のあどけなさを残す童顔のマスターが一人。あれが息子さんだろうか。
まずは太田和彦を気取って「ジントニック」を頼む。
うまい。
なんという重量感の「ジントニック」だろう。ジンの強烈さと鮮やかさな芳香がトニックウオーターでいや増したかのようなヘビー級ジントニック。一見客の様子見的なオーダーを見透かした様な、いきなりの先制攻撃にかなり唸らされた。
次に「ホット・バタード・ラム」。これはあまりのうまさに前マスターに作り方を教わった思い出のあるカクテル。5月にホット・バタード・ラムもないものだが、もう一度カウンターに座ることが出来たらどうしても頼みたかった。
これもうまい。体の心から温まるような陶然としたコクと甘みは、昔おかわりして頼んでいた親父さんの味と一緒である。
向こうのカップル客が小生のオーダーを見て、マスターにレシピを訊ねている。
ディオニソスのホット・バタード・ラムは数十種類のスパイスを練りこんだ自家製のシュガーバターペーストを寝かせたものを使用しているため、バターだけが浮いたような通常のものとは見た目も味の深みもまったく違う。
「親父の直伝です」と説明しているマスターに、たまらず15年ぶりに札幌から寄ったこと、昔ながらの「ホット・バタード・ラム」の味に感激したことを話すと、「私なりのアレンジは加えていますが」と笑って答えてくれた。
前マスターは6年前に他界し、今は息子である彼が二代目を継いでいるそうだ。最後の2年間は一緒にカウンターに立っていたそうで「至福の2年間でした」と当時を振り返る。
バーテンダー協会新潟支部の大会で入賞するなど早くも活躍されているらしく、小生の後から来たバー業界風の黒服から「今年の大会はどんなの考えているの?」などと訊ねられている。年を聞くと顔に見合わず「34歳です」と聞き、驚く。
そろそろ潮時と、最後に「タリスカー20年シェリーカスク(金ラベルのやつ)」のストレートと大量の水を飲み、ホテルへと帰路に着いた。
親父さんの話しばかりでなく、彼のオリジナリティも褒めるべきだったかもと反省しつつも、最後の2年は親父さんも嬉しかったろうな、としみじみ感慨に耽り、床に就いた。

新潟県新潟市古町通7番町1005 橋田ビル1F
電話025-222-8140
19:00~2:00
定休日:日曜、祝祭日




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