
あいかわらず面白い映画撮る人だなあ。 家族愛・同性愛・女優愛に今回は少年愛が加わり、むせ返る様な“愛”の世界がまたもや展開されます 以前より、彼の作品に同性愛が普通に登場するのは、単に監督がゲイだからというだけではなく、ヘテロでは顕在化されにくい“愛”というものの異形さ、グロテスクさといったものがわかりやすく映像化できるからではないかと推測してます。 今回は回想で主人公の少年時代の校長(神父)が登場。少年にいけない教育を施すわけですが、このまじめそうで厳格な神父役が秀逸。神父の誕生祝いに歌を披露させられる主人公のこの世のものとは思われないボーイソプラノを前に今でも泣き出さんばかりに“萌えて”いる演技がかなりキモい。 それでなくても映画に登場する神父・牧師というのは変態が多い。
私の映画史上の3大神父・牧師キャラは
○「狩人の夜 」の“LOVE&HATE牧師”

未亡人と子どもを付けねらうロバート・ミッチャム扮する偽牧師。 夫人の遺産を目当てに結婚、殺害後、秘密を知って逃げ出した子ども達を追い詰めます。 キャラの特徴としては右にLOVE、左にHATEと刻まれた手の甲の刺青。 モノクロームの美しい映像と悪役をやらせたら天下一のロバート・ミッチャムの演技が合いあまり、強烈な印象を残します。 以降この刺青は「ロッキーホラーピクチャーショー」「ブルースブラザーズ」などでオマージュされます。
○「ファニーとアレクサンデル 」の“鬼義父牧師”

スエーデンの国民的巨匠イングマル・ベルイマン5時間の超大作。 裕福なブルジョアの家の幼い兄妹ファニーとアレクサンデル。大家族に囲まれ、楽しく暮らしていた兄妹だったが、未亡人である母は厳格なプロテスタントの牧師の家に嫁いでしまう。彼の登場以降、それまでの暖かいファミリー映画調が一変、サスペンス&オカルト映画へと変貌していきます。「父さんはお前のためを思っているんだ」といいながら、妻を手名づけ、兄妹を次々と恐怖のどん底に突き落とします。 「おしん」の総集編を一気に見ているような、言い換えるとジェットコースター橋田壽賀子ドラマみたいな5時間です(違うか)。
○「クライム・オブ・パッション 」の“殺人バイブ神父”

監督は鬼才ケン・ラッセル。 昼は最先端のファッション・デザイナー、夜は欲望のまま男を貪る娼婦と二つの顔を持つ女ジョアンナ(キャサリン・ターナー)。一方、彼女の身元を調査する私立探偵のボビー。急接近した二人はやがて互いの愛に溺れて行くが……。 ふたりの行く手を阻む、パラノイア神父役にアンソニー・パーキンス。キテます、「サイコ」以来の当たり役(笑)電動ドリル刃のバイブレーターを振り回し、神を冒涜するいけない娼婦たちを成敗します。神父の行くところ、あそこにボッコリと穴の開いた血まみれの娼婦の死体が累々と・・
それだけ宗教職というのは権威がある一方、胡散臭いモチーフになりやすいということか。これらは映画としても面白いのでお勧めいたします。 今回の「バッド・エデュケーション」神父は次点ですかね。いや映画は面白いですよ。別に少年愛の映画でもないですし。

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テーマ:WOWOW/スカパーで観た映画の感想 - ジャンル:映画
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