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アスフェリカルの非球面眼日記
北海道在住のサラリーマンによる日本酒、ワイン、居酒屋紀行、バンド、マラソン、映画など趣味の話題と日々の悲喜こもごも。お前はほんとに仕事しとるのか!
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かんずりを酢で溶くと超うまいタバスコになる。










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「動くな、死ね、蘇れ!」(1989)
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90年当時、無名ながらカンヌ最優秀新人監督賞を獲得し、話題となった映画。
見たら意味がわかりました。90年代とは思えないプリミティブさに溢れた映画で、「ゴースト」「ダイハード2」「バックトゥーザフューチャー2」「ホームアローン」「ダンスウィズウルブズ」バブル当時の映画の文脈とはまるっきりかけ離れた先祖がえりのような映画。

ソビエト版(ロシアではない)「大人はわかってくれない」と申しますか、第2次大戦終了後の極東の寒村の過酷な生活が描かれております。そんなに昔に製作された映画ではないのですが30年代のモノクロ映画のような不鮮明なトーン(16ミリ?)。一見雑に撮ったように見せかける撮影&録音が妙な臨場感を生んでいます。
ただ前半はどん底でカオスな生活風景がひたすら描かれるためちょっと見ているのがつらい。貧乏長屋のろくでなしども、配給の小麦を奪い合う女ども、子供同士のいじめ、スターリンを嵩にいばりくさる教師、猫の子をたらいで次々溺死させる老婆、収容所で狂い地べたで泥団子をほおばる学者、子を孕めば特赦で出所できると必死で男に迫る15歳の少女、負傷兵が集う乱闘のダンスホールなどなど。
後半は主人公である少年ワレルカと何かと世話を焼く少女ガリーヤに焦点が絞られるため、ようやくストーリーに集中できました。少年と少女の逃避行あたりで描かれた叙情性は秀逸。最後の狂った裸女はご愛嬌ということで。

監督のカネフスキーは長く拘留生活を送った人らしく53歳の実質デビュー作。

劇中、収容所生活を送る日本兵が随所に登場し、劇中歌として「よさこい節」「炭鉱節」など日本の民謡が多数登場します。

キアロスタミの「友達の家はどこ?」とかの第三世界映画、もしくは30-40年代のルネ・クレールとかデ・シーカなんかが好きな人には合うんじゃないかな?

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テーマ:WOWOW - ジャンル:映画


チャットモンチー「恋愛スピリッツ」
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間違いなく少年ナイフ以来の衝撃!である。
スーパーカーの世代がプロデューサーに回るということはこういうことなのかも知れない。
びびりました。

テーマ:女性アーティスト - ジャンル:音楽


「五線譜のラブレター」(2004)
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知っている曲といえば「ナイト・アンド・デイ」のみ。しかもトレイシー・ソーン(EBTG、名演!)の、ということでコール・ポーターの他の曲は興味がなく、ただゲイの作曲家という知識しかなかったんですが、ずいぶんと聞きなじみのある曲を沢山(1000曲!)作った人なんですね。
映画はそんなコールの劇中劇的伝記映画。夫がゲイで仮面夫婦でありながらも深い愛情で結びついているというちょっとありえない夫婦関係が描かれています(実際はパトロンと芸術家の関係だったんじゃないかと邪推しますが)。
シェリル・クロウ、アラニス・モリセット、エルビス・コステロなど多数のミュージシャンが往年の名曲を熱唱するというのが見所。
エピソードで面白かったのは自らの伝記映画(「夜も昼も」1946)のプレミア上映に出席。実態と似ても似つかない健全な愛妻映画にげんなりしながらも「死亡記事の私の名を見つけた時、アメリカ国民にケーリー・グラント(主演)の顔を思い浮かべてもらうというのも悪くない」と妻にボソッというところ。曲だけでなく、せりふも洒脱な人だ。
それから彼の作品の初演の度にカルティエの新作シガレットケースをプレゼントする妻も粋。
ミュージカルのMGM70周年の威信にかけたトリビュート映画。
しかし邦題「五線譜のラブレター」とはなんじゃ~。

テーマ:ゲイを扱った映画 - ジャンル:映画


札幌居酒屋探訪@地下鉄西11丁目駅 第5戦 酒場ハッピータイガー
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札幌大通公園恒例の納涼ビアガーデンもいよいよ開幕。その帰りにちょっとだけ寄ってみようと狸小路10丁目界隈で最近オープンした「酒場ハッピータイガー」へ潜入。
レトロ風に造られたしつらえ。背の高いカウンター、自作真空管アンプにミシン台・ちゃぶ台を改造したテーブル席で1人でもくつろげる雰囲気。
噂通りにお通しはスライスしたパン。くるみ入りでほのかに甘いです。
ワインから芋焼酎・日本酒・ホッピーと飲み物は幅広くあります。
無花果入りパンを追加し赤ワイン、磯自慢(グラス460円だったかな?安い!)とごぼうサラダをいただき、ソフトフランスをお土産に今日は軽く退散。

かの有名な「金富士」「たまや」の間に出現したことで札幌の酒飲みの間では物議を醸したが、新しい店はそのくらいの気概がないといかん。若い世代にも抵抗感なく楽しんでいただける店が出来、狸小路10丁目にまた新しい活気が生まれるのではないでしょうか。
パンを肴に酒を飲むのもオツなものです。

●酒場ハッピータイガー
住所/札幌市中央区南2条西10丁目 土日休み

テーマ:居酒屋 - ジャンル:グルメ


居酒屋探訪出張篇@銀座~新橋
銀座方面の仕事を20時に終らせ、待望の出張居酒屋探訪へ出発。
まずは評判の高い「三州屋」へ。
すでに酔客でぎっしりである。若いサラリーマン客からお年寄りまでバラバラな客層で想像より賑やか。なんとか席を見つけ、腰掛ける。清潔感のある白木のカウンター。
通しが枝豆でサッポロビールを1本。メニューは壁にずらっと並んでいるがどれも秀逸である。同じ材料でも「刺身」と「たたき」などちょっと違えてあったりして芸が細かい。
きぬかつぎ・鳥豆腐 かつおたたきを発注。たたきはぶつに切ってあり、ボリューム感があっておいしい。名物の鳥豆腐はポン酢紅葉おろしでいただく。評判どうり、スープまで楽しめる。しかもどれも銀座としては安いと思われる値段設定。フロア係のお母さんたち3名はひっきりなしの注文で大忙しである。白鶴2本をぬる燗で楽しみ、お開き。

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大衆割烹三州屋銀座店
中央区銀座2-3(並木通り2丁目)
11:30 - 22:30日祝定休

次に宿の近い新橋方面に移動。新橋は酔っ払い天国とは聞いていたがここまでとは・・ 通行人の5人に1人は真っ直ぐ歩けてないじゃないですか(笑)
立ち飲みやでは出来上がった人たちが満杯の店内から道にはみ出して延々と飲み続けている。帰れるのか?
そんな酔っ払いの解放区をひとしきり散策し、席のありそうな地下の焼き鳥店「新ばし 鳥之介」へ。こちらは分室らしい。
これが思いのほかよい店で鳥精・ハツ・砂肝・レバー・つくね のどれもが鮮度のよいネタでジューシーだった。とくにハツ。キリンクラシックラガーと日本酒は美少年で終了。

新ばし 鳥之介
港区新橋3-16-7 福緑寿ビルB1F
03-3433-1013
17:00~23:45(L.O.23:00)日休


テーマ:居酒屋 - ジャンル:グルメ


私の3大牧師キャラ~ペドロ・アドモバル「バッド・エデュケーション」
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あいかわらず面白い映画撮る人だなあ。
家族愛・同性愛・女優愛に今回は少年愛が加わり、むせ返る様な“愛”の世界がまたもや展開されます
以前より、彼の作品に同性愛が普通に登場するのは、単に監督がゲイだからというだけではなく、ヘテロでは顕在化されにくい“愛”というものの異形さ、グロテスクさといったものがわかりやすく映像化できるからではないかと推測してます。
今回は回想で主人公の少年時代の校長(神父)が登場。少年にいけない教育を施すわけですが、このまじめそうで厳格な神父役が秀逸。神父の誕生祝いに歌を披露させられる主人公のこの世のものとは思われないボーイソプラノを前に今でも泣き出さんばかりに“萌えて”いる演技がかなりキモい。
それでなくても映画に登場する神父・牧師というのは変態が多い。

私の映画史上の3大神父・牧師キャラは

○「狩人の夜」の“LOVE&HATE牧師” 

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未亡人と子どもを付けねらうロバート・ミッチャム扮する偽牧師。
夫人の遺産を目当てに結婚、殺害後、秘密を知って逃げ出した子ども達を追い詰めます。
キャラの特徴としては右にLOVE、左にHATEと刻まれた手の甲の刺青。
モノクロームの美しい映像と悪役をやらせたら天下一のロバート・ミッチャムの演技が合いあまり、強烈な印象を残します。
以降この刺青は「ロッキーホラーピクチャーショー」「ブルースブラザーズ」などでオマージュされます。

○「ファニーとアレクサンデル」の“鬼義父牧師”

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スエーデンの国民的巨匠イングマル・ベルイマン5時間の超大作。
裕福なブルジョアの家の幼い兄妹ファニーとアレクサンデル。大家族に囲まれ、楽しく暮らしていた兄妹だったが、未亡人である母は厳格なプロテスタントの牧師の家に嫁いでしまう。彼の登場以降、それまでの暖かいファミリー映画調が一変、サスペンス&オカルト映画へと変貌していきます。「父さんはお前のためを思っているんだ」といいながら、妻を手名づけ、兄妹を次々と恐怖のどん底に突き落とします。
「おしん」の総集編を一気に見ているような、言い換えるとジェットコースター橋田壽賀子ドラマみたいな5時間です(違うか)。

○「クライム・オブ・パッション」の“殺人バイブ神父”

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監督は鬼才ケン・ラッセル。
昼は最先端のファッション・デザイナー、夜は欲望のまま男を貪る娼婦と二つの顔を持つ女ジョアンナ(キャサリン・ターナー)。一方、彼女の身元を調査する私立探偵のボビー。急接近した二人はやがて互いの愛に溺れて行くが……。
ふたりの行く手を阻む、パラノイア神父役にアンソニー・パーキンス。キテます、「サイコ」以来の当たり役(笑)電動ドリル刃のバイブレーターを振り回し、神を冒涜するいけない娼婦たちを成敗します。神父の行くところ、あそこにボッコリと穴の開いた血まみれの娼婦の死体が累々と・・

それだけ宗教職というのは権威がある一方、胡散臭いモチーフになりやすいということか。これらは映画としても面白いのでお勧めいたします。
今回の「バッド・エデュケーション」神父は次点ですかね。いや映画は面白いですよ。別に少年愛の映画でもないですし。


テーマ:WOWOW/スカパーで観た映画の感想 - ジャンル:映画


一升瓶いらっしゃい!悦凱陣 純米吟醸赤磐雄町50無濾過生15BY
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有限会社丸尾本店(香川)原料米=赤磐雄町 精米=50%
アルコール度=18.0~18.9度日本酒度=+8 酸度=1.6 酵母=9号

丸尾第2弾は赤磐雄町の純米吟醸生。H15年のものをH17年12月に瓶詰めしたもの。
アーモンド・ヘーゼルナッツのナッティな感じにシェリー酒か紹興酒のような香りがほのかに絡む。
この辺がダメな人にはダメでしょうが、ほのかなのでむしろ上品。色は思いのほか付いていない。
注ぐと強力なとろみで音もなく注ぎ込まれる。生な感じはすでになく、精緻できれいだがしっかりとした甘みと旨みを感じる。
18-9度の強さは前面に出ない。ただ2年前はさぞ暴れん坊だったに違いないと想像される。手のつけられないじゃじゃ馬が年頃のレディになって現れたという感じ。でも相変わらず骨は太いというか。若い頃の賠償美津子みたいな。アントン。

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テーマ:お酒全般 - ジャンル:グルメ


Virginie de Valandraud 1998
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ヴァランドローのセカンド。
今だ濃いガーネット、澄み渡った感じではない。チョコレート、フランスパンの外皮の焼けた香り、干しプラム、カスタードクリーム、スミレ。味わいは果実味が抜け始めるちょっと手前、酸がしっかりしており、量感がありながらきれい目なバランス。セカンドワインにしてはエレガンスな感じがあり、ファーストはいかにと思わせる。最後に樽由来なのか、抽出しすぎたのか、はたまた98年特有のものなのか、堅い苦味がちょっと引っかかる。翌日は香りが飛んでいた。


テーマ:ワイン - ジャンル:グルメ


ブラッドサースティ・ブッチャーズ@Zepp Sapporo
FIRE STARTER SPECIAL ~TOWERING INFERNO 2006~
Zepp Sapporo
2006.7.15(土)17:00~
出演
・Fat Prop
・MO'SOME TONEBENDER
・OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND
・10-FEET
・bloodthirsty butchers
・BEAT CRUSADERS


タワーレコード札幌PIVOT店主催のイベント「ファイヤースターター」にて1年振りのブッチャーズ。
明らかに1バンドのみ浮いた世代構成。いつもはベッシーホールなこの人たちが果たしてこのアウェイなZEPP SAPPOROで無事ステージを成し遂げられるのだろうかと不安でしたが結果問題なかったみたいですね。比較的受け入れられているように見えました。いつもは轟音すぎて音が飽和ダンゴ状態なのですが、大箱のゆとりか、楽器がやや分離して聞こえます。ひさ子ギターも初めて(笑)聞き分けられました。ヒデキのボーカルも心なしか頼もしい!ソロツアーの成果でしょうか。しかしいつもながら射守矢ベースはすごい!リズムキープの役割はそこそこに、第3のギターとしてコード&メロディを引き倒す!こんなベースはNEW ORDERのピーター・フックか射守矢雄かというところだろう。ギター2本とベース1本が絡み合いながら複数の旋律をかき鳴らし、小松っチャンのドラムが力技でまとめ上げるその高揚感。分離のいい大箱で類まれなるアンサンブルを堪能しました。終演後は相変わらずの難聴。
ブッチャーズ初体験の子のブログで「2曲聞きましたが、轟き音・爆音ロックって感じですかね。本当にビックリするような迫力でした。」というのがおかしかった。
その通りです。すいません。なんで俺が謝るんだ。

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bloodthirsty butchers
吉村秀樹 HIDEKI YOSHIMURA (vocal/guitar)
射守矢雄 TAKESHI IMORIYA (bass)
小松正宏 MASAHIRO KOMATSU (drum)
田渕ひさ子 HISAKO TABUCHI(guitar)

テーマ:ライヴレポ・感想 - ジャンル:音楽


Chパヴィ・マッカン1996
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明るいがまだ澄み渡ってはいない張りのある強めのルビー。
ミルキーなほどよい甘みをしっかりした酸が支え、フィニッシュに細やかなタンニンが主張してくる。ぼてぼてのヘビーサンテミリオンではなく、中庸タイプ。でも厳しさはないです。こういうタイプは好きですね。10年でちょうどよい飲み頃。

テーマ:ワイン - ジャンル:グルメ


一升瓶いらっしゃい!讃岐篇
有限会社丸尾本店 悦凱陣 手造り純米(香川)
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讃岐三白とは香川の名産である綿・塩・和三盆を指す言葉だが、綿の変わりに小麦、もしくは讃岐米を挙げる説も多いと聞く。香川は酒造米の産地でもあるようだ。
昨年出張で初めて訪れた高松市のバーで「何か地酒を」といって出てきたのがこの「悦凱陣」だった。2002年Dancyu3月号で「ポスト十四代No.1」の称号を得た銘柄だということは後から知った。
あまりちゃんと味わっていなかったので(酔っていた)、丸尾ワールドと称される独特の酒世界に弟子入りすべく、熟考(駄考)の上3本を発注。
◎悦凱陣 手造り純米17BY
◎悦凱陣 純米吟醸赤磐雄町50無濾過生15BY
◎悦凱陣 純米吟醸讃州山田錦50火入れ14BY

まずは一本目「手造り純米」である。常温で。
ほのかに吟醸香、うまみが強く、酸の切れがあり、最後は辛く利ける。いきなり参りました。十四代よりうまいじゃないですか。

原料米=オオセト 精米歩合=55%
アルコール度数=15.5度
   日本酒度=+6  酸度=1.4  アミノ酸度=1.1
   酵母=熊本9号

テーマ:日本酒 - ジャンル:グルメ


ジョン・ヒューストンの末期の眼 ザ・デッド「ダブリン市民」より
大監督ジョン・ヒューストンの遺作。見逃していたのをムービープラスでようやく鑑賞。



ジョン・ヒューストンといえば、まず第一作「マルタの鷹」。辻褄があっていないような脚本を問答無用な迫力で押し切る演出が豪快。以後も「キーラーゴ」「黄金」「アフリカの女王」などハンフリー・ボガードの映画の監督を次々と務めながら、「赤い風車」(ロートレックの伝記 悲しいがおもしろい!)「白鯨」(あれです)「天地創造」 「007カジノロワイヤル」(007パロディ)節操ないほどいろんな映画を撮り、自らも俳優として出演、ハリウッドの生きる歴史ともいえる人物であった。
私がリアルタイムで観ていたのはペレも出演した「勝利への脱出」(81)ミュージカルの「アニー」の映画化(82)、次作「火山の下で」(84)でカンヌ審査員特別賞(駄作)、次の「男と女の名誉」(85)が大ヒット(傑作!今でいうMr.&Mrs.スミスみたいなもんか?)と老いて益々盛ん、ぶいぶい言わせていた時期だけにその後、地味な本作を最後に幕を閉じたその中身が気になっていた。

これはジェイムス・ジョイス原作に忠実に映画化していながら、彼が監督だということで似て非なる感慨をもたらします。
これは完全にジョン・ヒューストンの私的映画です。配役に娘のアンジェリカ・ヒューストン、脚本に息子のトニー・ヒューストンで固めたファミリー映画であり、自らの死期を原作になぞらえた辞世の句といえる映画。古き良き時代への郷愁と末期の眼から見た暖かくも厳格な虚無感。前半のテレビ映画のような予定調和の世界が一転ラストで破綻し、死を目前にした人間の独白に変わります。
酸素ボンベを手放せない身体になっても撮り続け、ついには自らが映画と化してしまったかのような映画です。合掌。

「人は皆いずれ亡霊になる。惨めに年老いて死ぬより情熱を抱き胸を張ってあの世へ旅立ちたい。君は何と長い月日を、死んでしまった恋人を思い続けてきたのか。これほど強く相手を思う、それが愛という感情なのだろう。時が始まって以来、多くの人がこの世で生きた。私もいずれ彼らのように灰色の世界へと旅立つ。彼らがはぐくみ生きたこの世界自体もまた次第に衰え消えていく。雪は降り続く。マイケルが葬られた寂しい墓地にも。雪は最期の時のように、ひそやかに宇宙から降り注ぐ。生者と死者に平等に...」


テーマ:WOWOW/スカパーで観た映画の感想 - ジャンル:映画


札幌居酒屋探訪@地下鉄西11丁目駅 第4戦 徳丸
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諸先輩に呼び出され、狸小路9丁目の徳丸へ。
昭和初期の建物を再現した建物がウリの店。ただそれだけ。
北海熊ころりを2杯。

●焼き鳥専門店徳丸
住所/札幌市中央区南3条西9丁目998

テーマ:居酒屋 - ジャンル:グルメ


札幌居酒屋探訪@地下鉄西11丁目駅 第3戦 やきとり一番
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西11丁目界隈である意味“一番”目立つ店構え。
暖簾をくぐると外観にそぐわず奥に向かって広々とした三和土(たたき)に大きなカウンター、テーブル席が10席近く。今日は客が一人もいなくてヒマそう。大将とお母さん達でやっていて、愛想はよい。
これぞ大衆居酒屋の殿堂といった年季の入った店内だがこざっぱりとしていて居心地は良い。

発注結果は・・〆鯖○ 鳥精△ ハツ△ 手羽先○
焼き鳥は中の下クラス、刺身の方が良かった。
焼き鳥屋に向かっていささか失礼な話だが、焼き鳥以外を頼んで、この空間を楽しみたい

●やきとり一番
住所/札幌市中央区南1条西11丁目電車通り沿い
℡/011-222-4721


久々のCDショップ
プライマル・スクリーム/Riot City Blues

先行シングルがプライマル版ホンキートークウーマンな内容(ま、カントリーといってもそこは英国なカントリーになっているところがミソですが)。
そのアルバムはというと確かに巷で言うとおりGive Out But Don't Give Upの頃を思わせるレイドバックでアッパーなストーンズ風味全開の内容となりました。もうその線はいいんじゃないかと思いつつもT3あたりはライブで盛り上がりそう。9月には来日、我が札幌にも2度目となるツアーがあるということです。

ゆらゆら帝国/つぎの夜へ
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「今年はこれしか出ません」という2曲入りシングル。長尺です。
片方がメロウゆらゆら、片方がサイケゆらゆら。
ライジングサンで聞けるかな。

ベイビー・シャンブルズ/ダウン・イン・アルビオン

遅ればせながら。結論から言うといいです。私はツボにはまりました。
やりたいことを素直にやっている感があり、リバの1stのような凝縮度は望めないものの
きらめきはそこかしこにあります。これを聞くとリバティーンズにはまだタガが存在していたんだなと感じます。
ピートがどうなりたいとかどうしたいとかいうことは皆目わかりませんが、我々に出来ることといえば、彼が気まぐれにドロップした作品をそ知らぬ振りして受け取ることくらいなのでは。

ほんとCD屋に入るの久々ですね。確実に業態として陳腐化しつつある。CDショップに入るという行為自体、そろそろ最後なのかも知れない。

テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽


一升瓶いらっしゃい!巻機 純米吟醸 無濾過原酒生
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新潟県旧塩沢町 高千代酒造で醸される銘酒 純米吟醸 巻機。通常の火入れのほかに無濾過生があると聞き、ついついそっちに手を出してしまう。本当は生苦手なくせに稀少品と聞くとミーハーなもんで。
加水無し、無濾過、無火入れなのですぐ冷蔵庫直行。
後日、開栓すると通常の王冠ではなく、シャンメリー(シャンパンのパチもんね)みたいなプラキャップである。硬い王冠では何か危険があるのでしょうね(怖)。
そのまま飲むととにかく濃ゆい!強力な米の甘さと過熟したメロン臭、高度数のパンチで頭が朦朧としてくる。ヤバい、典型的悪酔い酒(笑)。いや大変おいしい酒ですよ。でも火入れの方が身体にはいいかも。『居酒屋紀行』太田和彦氏が、魚の生き造りは生(き)が強すぎて食べ疲れすると記していますが、酒にも当てはまるかと私は思いますね。徳利1本で止めたので次の日は無事でした。自分で加水しますかね(ヤメロ)。
通常の火入れが「羊の皮を被った」巻機というならこちらは「牙を剥いた」巻機って感じ。圧倒的ですね。とにかくマイ新潟酒ランキングベスト1の地位は変わらず。

原料米=一本〆 精米歩合=53%
アルコール度数=17~18度
日本酒度=+1  酸度=1.8  アミノ酸度=1.8

テーマ:日本酒 - ジャンル:グルメ


HAPPY MONDAYS
fuji rock festival '06のスペシャルゲストにHAPPY MONDAYSがアナウンスされているじゃないですか!生きとったんかショーン・ライダー!全然知りませんでしたが99年に再結成していたんですね。しかもfujiにも出演していた。10周年にふさわしいかどうかは知りませんが、おっさん連中は盛り上がるに違いありません


テーマ:LIVE、イベント - ジャンル:音楽


番外編:札幌フレンチ探訪@地下鉄西11丁目駅
人間、30歳を前にブルーになる人と40歳前でブルーになる人の2種類いるような気がするんですが、私は典型的に40前でしたね。オーバー30は何とも思わなかったんですが、今回オーバー40は、かなりブルーでした。でも過ぎるとなんてことはないです。後戻りは効かないわけで。

1日過ぎたが私の40歳の誕生日ということで今回は番外編として嫁同伴でフレンチ探訪となった。メニューが月替わったばかりのフレンチの老舗カザマである。
昼食抜き、2時間のトレーニングを済ませ、万全の空腹状況で望む。

◎French Restaurant KAZAMA
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札幌市中央区南2条西12丁目パシフィック三和1F
営業時間/ランチ  12:00-15:00(13:30ラストオーダー)
ディナー17:30-22:30(21:00ラストオーダー)
TEL/011-272-1012
オンライン予約あり
http://www.pkazama.com/index.htm

7月のメニューの中からCディナーを事前に予約した。

アミューズ・ブーシュ
サザエのブルゴーニュ風と殻付ウニのフラン、ベルモットの香り
冷製コンソメ・スープ
平目とタラバ蟹のムニエル、セルフィユ風味のバター・ソース
お口直しのソルベ
宮城産バルバリー鴨胸肉のロースト、木苺のソース
or和牛フィレ肉のステーキ、季節の温野菜添え
デザート

食中酒にラフィットの1966(40歳)を持ち込み。誕生日と察知され、テーブルにブーケをいただきました。

シャンパンをグラスでいただき、まずはアミューズから。
ホワイトアスパラガスのグリエとカエルのモモ肉・アワビのソテー(だと思う)。プロバンサルソースでさっぱり。この時期、北海道はアスパラですよね。
ここで更にシャルドネ(ドミニク・ローラン03)をグラスで所望。
次がエスカルゴに見立てたサザエのブルゴーニュ風つぼ焼きとウニの洋風茶碗蒸しの一皿。(これが食べたくて来ました。)ウニとサザエと生クリームの香りが皿の上で渾然一体となって、ものすごくいい香り。両方とも殻が器になっています。青森の貝焼きは貝殻からダシが出るといいますが、この場合のウニも殻からダシが出るのでしょうね。
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サザエはつぼの中にシメジ茸(でいいのかな?)と一緒に熱々で詰められており、ウニの方はフルフルとした温かいプリン状の生地の中にこれでもかという量のウニが隠れて一緒に蒸し上げられています。7月中にもう一度食べたいですね。
(5月にはウニのプディングというメニューもあったそうでそれも食べたかった。残念。)
スープはホワイトアスパラガスのポタージュとコンソメジュレが冷製仕立てで登場。
ポタージュの上にジュレが載っています。ポタージュはやさしく滑らかでコンソメからは野菜の香りが立ち昇りました。
次、外はパリッと中はふんわり仕上げた平目とタラバ蟹のムニエルの上には、野生種(原種?)のアスパラガスがのっていました。麦の穂先のような見た目で茎が太くないんですね。
ここで口直しのパイナップルのソルベ
そしてメインで私が鴨へ、嫁が和牛。鴨は木苺のソースですが、甘くなく、木苺はほのかに香るくらい。
デザートは嫁がココナッツのブランマンジェ(柔らかい杏仁豆腐みたいなもの?)の蜂蜜アイスクリーム添え。私がクレームブリュレのラムショコラアイスクリーム添え。私のアイスクリームはラム酒の香りが強烈。嫁の方のアイスクリームを少しもらうと、これも蜂蜜の香りが鮮烈でいつまでも口の中で残りました。両方ともチェリーコンポートのソース付き。
全体的に夏らしく、さっぱりとしてメリハリある味付けのせいか、まったく胃にもたれずにおいしくいただきました。7月のメニュー替りもあり、この日は満席。そんな中でもマダムお一人でスムーズに切り盛りされており、大変気持ちのよいサービスを受けることが出来ました。店の雰囲気も料理もけれん味がなく、北海道の素材を生かした円熟味のある質実剛健なフレンチ。何度でも通えそうなところが大変好感を持てました。なんで今まで行かなかったんだ、ってくらい。

あ、ラフィットですか。40歳の壁を越えられなかったというか・・こんなもんか。



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テーマ:フレンチ - ジャンル:グルメ


一升瓶いらっしゃい!福岡南国紀行篇
井上合名会社 三井の寿 麗吟純米吟醸

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庭の鶯に続く南国紀行篇第2弾は名にし聞く「三井の寿」である。
知人である日本酒嫌いの酒豪が「三井の寿」だけは好きだとか言っていて評判は聞いていた。ただ個人的には状態が悪いものを(ご飯があめたようなにおい)飲まされたことがあり、評価保留状態だった。
再挑戦をしてみると・・
香りはメロンというよりはリンゴ、庭の鶯よりは辛口に利け、純米ながらもすっきり美酒である。最初はややきれい過ぎ、ふくらみ感がなかったが開栓3日目位からやや旨み感も感じるようになった。最初は常温もしくは冷酒と思ったがぬる燗までなら守備範囲か?福岡のレベルの高さを感じる酒ではある。好みでは庭の鶯の方が好きかも。

原料米=麹:糸島産山田錦 掛:筑後産麗峰米 精米歩合=55%
   アルコール度数=15~16度
   日本酒度=+2~4  酸度=1.3

テーマ:日本酒 - ジャンル:グルメ


たこまんま
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柳だこの卵巣である。見た目大きなゴムボールのようなもので、破ると中に太ったタイ米の様なたこの卵がいっぱい入っている。これをしょう油漬けなどにして食べる。味は赤みの抜けた「いくら」のような味と言うか、生鶏卵のような味というか、とにかく珍味の類である。
いきなり丸ごと茹でたりすると恐怖体験をするので注意。鍋の中で何倍にも膨らみ、真ん中から突然はじけます。まるで「エイリアン」の卵の孵るシーンのようです。実際体験したことがあります。怖かったです(笑)。
昨日、嫁が買ってきて茹でようとするのを、ようやく制してしょう油漬けにしました。
1日ほど漬けて、ご飯にのせて食べるとうまいです。もちろん酒の肴にもGOOD!

テーマ:食材 - ジャンル:グルメ